光安青霞園茶舗について

お客様と歩み続けて300年余 江戸時代よりお茶一筋 光安青霞園茶舗
創業当初からの想い『お客様第一』
~創業から変わらない想いを繋ぎ伝統(ほんもの)のお茶をお届けし続けています~ 13代目 店主
商人の町博多に生まれ育って300年余
時は江戸時代、永らく続いた戦乱の世に一旦の終止符が打たれ、庶民にも多少のゆとりが生まれた 享保元年(西暦1716年)光安青霞園茶舗は創業しました。
現在も、明治にできた「明治通り」と昭和にできた「昭和通り」との間の、博多の大動脈であった「官内筋」に店舗を構えて営業しております。
300年余の時を経て、時代は大きく変わりお茶の在り方も変わってまいりました。
しかし、創業当初より変わることなく、脈々と受け継がれてきたものがあります。
それは、
「お客様第一」という姿勢です。代々「店はお客様のためにある」と伝えられてきました。
現在12代目当主となりますが、どの世代の当主も初代光安壮兵衛より「お客様第一」の想いを繋いでおります。
信用第一とし、お茶と向き合い続けてお客様との「対話」の中で、お茶の味を磨き続けてまいりました。
どんなに時代が変わろうとも、
この「お客様第一」の想いと伝統(ほんもの)のお茶をお届けし続けたい。
この理念の元、現在も営んでおります。
日本の伝統文化~お茶~
伝統(ほんもの)のお茶を介して人の輪を紡ぎ続けたい
お茶屋を営み続けるなかで、気がかりなことがございます。
それは、
伝統(ほんもの)のお茶が少なくなったということです。
時代の変化とともにコーヒーやジュース等の嗜好品(しこうひん)が日常生活で飲まれるようになりました。また、お茶に関してもペットボトル飲料が飲まれる機会が多くなりました。
ペットボトル飲料のお茶は便利ですし、決して悪いとは言いませんが、ひと手間かけて急須で淹れたお茶には及ばず全く別のものであると考えております。
急須で淹れたお茶には、味もさることながら、心もほっとするリラックス効果があると言われております。
知人、友人、家族、そんな大切な方と過ごし、ほっと寛(くつろ)ぐ。
そんなときには、ひと手間かけて急須で淹れた伝統(ほんもの)のお茶を飲み、「ひとごこち」つくことで人の輪が紡がれていく。
そう信じております。
お茶は生き物です。
ここでお茶とお茶屋の仕事についてお話させて頂きます。
お茶屋と聞くと、袋詰めされたお茶が店頭に並べられているというイメージがあるのではないでしょうか。
お茶をお客様にお届けすることはもちろん重要な仕事です。
しかし、お茶屋で最も力量が必要で重要な仕事は、摘採(てきさい)された茶葉を仕上げ、合組(ごうぐみ)(ブレンド)する ことです。
一口にお茶と申しましても、玉露(ぎょくろ)、抹茶(まっちゃ)、かぶせ茶、煎茶(せんちゃ)、白(しら)折(おれ)、玄米(げんまい)茶、ほうじ茶、粉(こな)茶(ちゃ)等など様々ございます。
茶の木は、ツバキ科の多年生(たねんせい)植物(しょくぶつ)です。緑茶も烏龍茶も紅茶も同じ茶の木の新芽を摘んで加工したものです。しかし、育て方や加工方法によって全く別の種類のお茶となるのです。
ここで、お茶は生き物であるというお話をさせて頂きます。
緑茶は、茶畑で茶の木の新芽を摘んだ後、すぐに蒸す工程に入ります。
すぐに蒸さないと茶葉に含まれるカテキンが酸化することにより発酵が進んでしまい、烏龍茶や紅茶といった別の種類のお茶へと変化してしまうからです。
蒸すことで発酵がとまり緑茶となるのです。
したがって、茶農家は新芽が育ったからといって、茶畑の全ての茶葉を一気に摘むというわけにはいかないのです。
一日で蒸し作業ができる分だけしか摘採(てきさい)できません。
しかし、摘まなかった新芽はどんどん成長していきます。
同じ茶畑や同じ茶農家でも、摘採(てきさい)日によって茶葉の品質が変わってしまうのです。また、品質は茶の木の樹齢によっても異なります。
この品質を整え商品にすることこそが、お茶屋の力量が試される仕事です。
お茶の魅力を最大限まで高めるブレンド技術
~合組(ごうぐみ)~
商品作りに重要なことは、荒茶(あらちゃ)(茶葉)の仕入れ・仕上げ・火入れ・合組(ごうぐみ)(ブレンド)です。
当店では仕入れは主に入札で納得のいく八女の荒茶(あらちゃ)(茶葉)を仕入れます。
仕上げと火入れはそれぞれの 荒茶(あらちゃ)(茶葉)に合った仕上げと火入れを単品で行います。
「合組(ごうぐみ)(ブレンド)」は、その中でも最も重要なことと考えます。
300年余、お茶屋を営む中で磨き続けてきた技術です。
お茶は、味、香り、色(水色(すいしょく))の3つで評価され、3つ揃ったものを三つ星と評することがございます。
お茶は、同じ畑・同じ茶農家であっても、摘採(てきさい)される日や摘採(てきさい)時の天候などで、品質が左右されます。また、品質は茶の木の樹齢によっても異なります。
また、茶農家から摘採(てきさい)された一つのお茶で、味、香り、色(水色(すいしょく))、この三拍子全てが素晴らしいことはめったにございません。
あったとしても、取れる量が非常に少なかったり、値段が非常に高価になったりしてしまいます。
そこで、「合組(ごうぐみ)(ブレンド)」技術によってお茶の魅力を最大限引き出すべく、お茶を組み合わせていくのです。
例えば、
・色(水色(すいしょく))と香りが良いお茶(2つ星)
・味が良いお茶(1つ星)
この2つを良い塩梅で組み合わせることで、3つ星のお茶を目指します。
また、お茶には様々な品種があり、品種によって特徴が異なります。
これらの特徴のある品種のお茶を「合組(ごうぐみ)(ブレンド)」することによって、日々安定した当店の味のお茶をお届けすることができるのです。
光安青霞園茶舗3つのお約束
秘伝の書はございません。
契約農園を持ちません。
産地にこだわりません。
光安青霞園茶舗はこれら3つをお約束させて頂きます。
もしかすると悪い意味に取られたかもしれませんね。
一つずつご説明します。
秘伝の書はございません。
300年余も営業していると、お客様より「お茶の秘伝の書は無いの?」とお尋ねされることがあります。しかし、光安青霞園茶舗には秘伝の書はございません。
なぜならば、茶葉は常に品種改良が行われ、新しい品種が出来ているからです。
また、摘採(てきさい)時期によって品質が異なることを始めとして、生産地の標高、茶の木の樹齢、摘採(てきさい)時の天候、果ては摘採(てきさい)後、加工に使う機械の違いによっても品質が全く異なってくるのです。
お茶は生き物ですので、決まったレシピなどはなく、幼少の頃から飲んでいる味が当店の伝統(ほんもの)のお茶の味です。先代に「この目・この鼻・この口を全て駆使してお茶を見抜け」と教えられてきました。
契約農園を持ちません。
契約農家と聞くと、良い印象があるのではないでしょうか。
確かに契約農家を持つと、毎年安定した「量」のお茶を確保することができます。
しかしながら、同じ茶畑や同じ茶農家でも気象条件によって毎年「質」は一定ではございません。
もし契約農家や自家農園を保有してしまうと、納得できない茶葉でも仕入れて使わざるを得ない状況が発生してしまいます。
それでは、お客様に当店の納得したお茶をお届けすることができません。
そう考え光安青霞園茶舗では、現在契約農家や自家農園を持っていないのです。
契約農家を持たない代わりに昭和40年代に八女で入札が始まってからは、入札に出向きお茶を仕入れております。
入札に出向くことは確かに手間がかかるのですが、お茶の出来を五感を通して生で感じ取ることができます。
その中で選りすぐりの荒(あら)茶(ちゃ)(茶葉)のみを仕入れて、一種類ごと丁寧に仕上げ、火入れをし、その後「合組(ごうぐみ)(ブレンド)」した上でお届けすることにこだわり続けております。
【産地にこだわりません。】
現在、光安青霞園茶舗では、玉露(ぎょくろ)などの高級茶の産地として有名な八女茶(福岡県南部の八女地方で産出される茶葉)を主に取り扱っております。八女茶は美味しく当店のお茶に最も合うと考えております。
創業当初から昭和初期頃までは、主に京都よりお茶を仕入れておりました。当初は九州でお茶の栽培は現在の様に盛んではなかったのですが、時代が進み福岡県の八女でも美味しいお茶が作られるようになってまいりました。
八女の美味しいお茶をお客様にお届けするべく、昭和初期頃より少しずつ八女茶の取り扱いを始めました。
当時は契約農家があったため、お客様へ美味しいお茶をお届けするため、八女の茶農家さんと共にこだわりぬいた茶葉を研究してまいりました。
しかしながら、私どもの理念は産地にこだわることではなく、お客様に最も美味しいと思えるお茶をお届けすることです。
そこで、八女茶を中心の軸に据えつつも他地方に良いお茶があれば仕入れて、更により美味しいお茶を作り上げるべく日々研鑽に励んでおります。
これからも伝統(ほんもの)のお茶をお届けし続けます
お客様と対話するなかで、時代に合ったより美味しいお茶をお届けするために日々研鑽に励んでまいりました。
知人、友人、家族といったお客様の大切な方と過ごす場面で、当店の伝統(ほんもの)のお茶を愉しんで頂きたい。
「お客様第一」、この想いをもとにこれからも日々研鑽に励み、お客様の元へ伝統(ほんもの)のお茶をお届けし続けます。